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Column Article

2025.05.28

国際規格試験(前編) 「規格の重要性」

1.国際規格試験とは

「国際規格試験」とは、国際的な規格に基づいて実施される試験方法を指します。

これは、製品・材料・装置・サービスなどが、一定の性能、品質、安全性、信頼性を満たしているかどうかを評価するために行われます。

国際標準試験のメリット

特徴 内容
世界共通の試験方法 ISOやASTMなどの標準化団体によって定めたルールに基づき実施されます。
結果の比較が容易 世界中のラボや企業で同じ条件下で試験できるため、結果に一貫性があります。
輸出入や認証に必須 国際市場での販売や取引において重要な指標として機能します。
標準化された手順 サンプル条件・測定項目・解析方法まで明確に記載されています。

主な国際規格の例

国・地域 正式名称(日本語) 略称 主な特徴
日本 日本産業規格 JIS ・産業標準化法に基づき制定される日本の国家規格です。
・鉱工業品、データ、サービスなど幅広い分野を対象とし、信頼性の確保や国際標準化活動の促進を目的としています。
中国 中華人民共和国国家標準 GB(強制)、GB/T(推奨) ・中国国務院標準化行政主管部門が国内で統一が必要な技術的要求について定める規格です。
・強制規格と推奨規格に分かれています。
・ISOに準拠するものもありますが、中国独自要件も多いです。
米国 米国試験材料協会規格(ASTM)
自動車技術者協会規格(SAE)
ASTM / SAE ・ASTMは世界最大級の民間規格制定機関です。
・ASTMが策定する規格は、主に材料や製品の試験方法、品質、性能などに関するものです。
・SAEは、自動車、航空宇宙、商用車などの分野で技術基準や規格を策定する米国の専門団体です。
・SAE規格は世界的に自動車産業で広く利用されています。
ドイツ ドイツ工業規格 DIN ・DINは、ドイツ規格協会が制定するドイツの国家標準化機関です。
・DIN規格は、工業製品の他、IT、食品など幅広い分野で採用されております。
・ドイツ国内だけでなく、欧州規格やISOにも影響力があります。
国際 国際標準化機構規格 ISO ・ISOは国際的な標準化団体で、各国の標準化機関が加盟しています。
・ISO規格は、国際取引や技術協力の共通基盤として世界中で採用されています。

補足ポイント

  • – 国家標準:法令や国家機関により認められた技術基準です。
  • – アメリカなど一部の国では、民間標準が実質的に国家規格として機能しています。
  • – ISOは各国標準との整合を進めている国際的な標準化機関です。

2.トライボロジーにおける国際規格試験

トライボロジー分野では、摩擦・摩耗・潤滑特性の評価において、ISOやASTMなどの国際規格に基づく標準試験が活用されています。

代表的な試験方法と規格対応表

試験方法 主な規格 内容 対応する装置 形態
SRV®試験
(オシレーション試験 / 往復摺動試験 / ボールオンディスク試験)
  • – ISO 19291
  • – DIN 51834
  • – ASTM D5706
  • – ASTM D5707
  • – ASTM D6425
  • – ASTM D7421
  • – ASTM D7594
潤滑油添加剤の摩擦・摩耗特性評価に使用。
フレッチング試験(微小振動試験)にも最適。
Optimol SRV® SRV試験機
回転ピンオンディスク試験
  • – ASTM G99
  • – JIS R 1613
  • – JIS R 1691
最も一般的な摩擦・摩耗試験。
試験片がシンプル。
各社回転試験機、SRV®5 回転ピンオンディスク
スラストシリンダ試験
  • – JIS K 7218
すべり軸受の焼付き荷重評価に使用。 AND EFM-Ⅲ、SRV®5 スラストシリンダ
ブロックオンリング試験
  • – ASTM G77
  • – ASTM D2714
  • – ASTM D3704
潤滑下での摩擦・摩耗評価に使用。 Falex LFW1、Timken E.P.、SRV®5 ブロックオンリング
四球試験
  • – ISO 20623
  • – ASTM D2266 他
  • – JIS K 2519
潤滑油の焼付き特性評価に用いる。 曽田式、Shell、SRV®5 四球試験
ピン・ブロック試験
  • – ASTM D2625
  • – ASTM D2670
  • – ASTM D3233
潤滑油の焼付き特性評価に用いる。 Falex Pin and Vee Block ピンブロック

規格を使う理由

  • – 国際的に比較可能な信頼性の高いデータが得られます。
  • – 潤滑剤・表面処理材などの選定に有用です。
  • – 顧客の品質保証に対応できます。
  • – ISO準拠により国際取引や輸出に有利です。

3. SRV®では

SRV®は現在、27種類の規格試験に対応しており、オイル・グリース・添加剤に加え、ブレーキフルードや材料の評価にも活用されています。
また、新たな規格の策定も進行中であり、用途や開発段階に応じた最適な試験を選択することが可能です。

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